醸界通信2025年6月11日第2627号(TOPICS)


5月のビール類販売数量 仮需の反動残り前年比12%減

 2025年5月のビール類市場は、4月の価格改定を前にした3月の駆け込み需要の反動が残り、前年同月を12%下回った。

 

 アサヒビールは5月のビール類販売金額額が前年比94%。3~5月の累計は同98%、1月からの累計も同98%。「スーパードライ」計(ドライクリスタルを含む)は5月の販売数量が90%。容器別に見ると樽93%、瓶89%、缶88%。1月からの累計は96%。7年ぶりのスタンダードビールとして販売した「ザ・ビタリスト」は6月11日に100万箱を突破し、年間販売目標200万箱の5割を超えた。「スタイルフリー」の累計販売数量は96%、「クリアアサヒ」は92%。

 

 ビール類以外の5月の販売金額の前年対比は、RTD111%。「贅沢搾り」が123%の大幅増だったのに加えて、「GINON」が年間販売目標300万箱の5割に迫る144万箱となった。洋酒の販売金額は114%、ワイン71%、焼酎92%。アルコールテイスト飲料(微アルコールを含む)の販売金額は108%。2月製造分からクオリティアップした「アサヒゼロ」は販売数量が170%大幅増。

 

 キリンビールは5月のビール類販売金額が前年比91%。「一番搾り」ブランド計の販売数量は95%だったが4月に発売した「一番搾り ホワイトビール」は好調を維持。「晴れ風」は価格改定に伴う仮需の反動が続き5月の販売数量は96%。「淡麗グリーンラベル」の販売数量も仮需の反動が続き82%。「本麒麟」も同様の背景から76%。「氷結」ブランド計の5月販売数量は93%。

 

 サントリーも駆け込み需要の反動が残り5月のビール類販売数量は前年比87%だっ・・・


Pパレの流出・不正使用防止へ「トラッカー」で位置情報取得 Pパレ共同使用会とビール4社

 一般社団法人Pパレ共同使用会(代表理事‥小野里俊哉氏、以下、Pパレ共同使用会)とアサヒビール㈱、キリンビール㈱、サッポロビール㈱、サントリー㈱の5者は協働して、プラスチックパレット(Pパレ)の流出および不正使用の防止に向けて、使用する一部のPパレにトラッカー(Pパレの動きをトラッキングする装置)を装着、位置情報取得を行う。

 

 酒類・飲料業界では以前からビール9型プラスチックパレット(Pパレ)を使用し製品を運搬している。プラスチックパレットがビール会社に順次投入されたのは1984年。1992年にはビール4社による共同使用を開始、1995年にはビール4社以外の酒類メーカーへの共同使用を拡大、2004年には任意団体「Pパレ共同使用会」を設立(加盟社数10社)、2013年には一般社団法人化(加盟社数60社)した。2019年にはビール4社間で共同回収を開始、2023年には加盟社数128社、年間4300万枚強の出荷・回収(1日あたり平均出荷枚数約10万枚)を行い、2024年の加盟者数は134社となっている。

 

 本来、パレットは加盟者間で流通させるものだが、一部が加盟者以外に流出し不正使用されているケースがあり、最近では不正な流出企業がネットオークションを活用して販売するような事例も見られ、Pパレ共同使用会とビール4社は連携し、悪質な事業者(社名記載箇所をペイントで消す)への求償を行うとともに、申し入れの対話・交渉にも応じない事業者には法的に対応し、勝訴している。さらに、農林水産省と協働し、全国の卸売市場における不正使用防止に向けた啓発、ネットオークシ・・・


酒類・飲料4社の物流子会社 自動運転トラックでの幹線輸送を実証

 酒類・飲料4社の物流子会社は、自動運転技術の㈱T2(東京・森本成城代表取締役‥CEO)が開発した、自動運転トラックを用いた酒類・飲料の幹線輸送実証に参画、6月5日、都内でT2森本代表とアサヒロジ㈱・児玉徹夫社長、キリングループロジスティクス㈱・小林信弥社長、サッポログループ物流㈱・服部祐樹社長、サントリーロジスティクス㈱・髙橋範州社長が記者会見を行った。

 

 冒頭、T2森本社長は「物流業界は、2030年のドライバーの需要が117万人と見込まれるのに対し供給は89万人にとどまり、輸送能力は34・1%不足し7・5~10・2兆円の経済損失が予測されている。

 

 T2はレベル4自動運転技術の活用により世界最高水準の日本の物流をともに支え、開発のみならず運送事業まで手掛け、顧客(運送会社・荷主)の集約拠点間の運送事業を展開する。2028年度からは東京~神戸間で徐々にレベル4(無人)の自動運転トラックによる輸送事業を開始、2030年度にはトラック保有台数2000台で中四国・九州に事業を拡大、レベル4の輸送事業を行う。レベル4の自動運転輸送が実現すると、1人あたり1日運行(片道)が限界の現状の輸送能力を、将来的には2倍(往復)にまで高めることができる」という。

 

 酒類・飲料業界は他業・・・


再生農業でサツマイモ栽培 サントリーと東京農工大

 国立大学法人 東京農工大学(以下、農工大)とサントリーホールディングス㈱(以下、サントリー)は、サツマイモの収穫量の増加および安定を目指し、鹿児島県内の生産者と協力し、5月から、再生農業の手法による栽培への取り組み実証を開始した。

 

 昨今、基腐病(もとぐされびょう)の流行によるサツマイモの収穫量減少が全国的な問題となっており、日本で流行し始めた2018年以前と比べると、サツマイモ収穫量は約10%減少している。

 今回の実証では、土壌の健全性の回復が病害対策になるという仮説に立ち、緑肥やバイオマス資源由来の炭化物であるバイオ炭を農地の土壌に加えて耕し、そこでサツマイモを栽培して病害への効果を検証する。

 

 サントリーは緑肥やバイオ炭などの資材調達、農工大は土壌環境、土壌微生物、病害に関する技術提供・評価をそれぞれ担当し、鹿児島県内で実証栽培を行う。

 

 実証期間は2027年末までの3年間を予定、病害への有効な対・・・


サントリー食品 10月1日出荷分から 国内販売商品の価格改定実施

 サントリー食品インターナショナルは、日本国内で販売する商品の2025年10月1日出荷分からの価格改定を実施する。 同社では、製造コストおよび物流コスト等の上昇が続いており、コストアップを吸収し続けることが困難となったためだが、今後も技術革新や生産性向上等の取り組みを続け、安全・安心で高品質かつ新たな価値を持つ商品を通じて、お客様に潤い豊かな生活を提供していく、としている。

 

 対象商品はペットボトル・缶・瓶など。ペットボトルは6~25%、缶は・・・


菊正宗 10月1日出荷分から価格改定 日本酒商品など150品目

 菊正宗酒造㈱は、2025年10月1日出荷分から、日本酒商品およびその他商品約150品目の価格改定を実施する。

 

 日頃から高品質で安心・安全な商品を適正な価格でお客様に届けるべく、品質の改善・生産性向上などの企業努力と合理化に取組んできたが、昨今の国際情勢の混乱、原油価格の高騰などを受け、原材料費・物流費・資材費・光熱費をはじめとしたコスト上昇が続いており、もはや企業努力だけでそれらの上昇分を吸収することが困難となったため。

 

 対象商品は日本酒・焼酎・リキュール・・・・


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醸界通信2025年5月21日第2625号(TOPICS)


令和6FY 清酒の課税移出数量 前年度を3.1%下回る

 令和7年3月の清酒課税移出数量(石川県は課税移出数量の報告のない業者を除く)は3万1280㎘、前年比96・8%。令和6年4月から令和7年3月までの令和6FY課税移出数量は37万2995㎘、同96・9%となった。

 

 令和6FYのタイプ別課税移出数量は、▽吟醸酒=6万5894㎘、同99・0%(うち純米吟醸酒=4万6754㎘、同97・8%)、▽純米酒=5万5339㎘、同100・9%、▽本醸造酒=2万2250㎘、同93・1%、▽一般酒=22万9510㎘、同95・8%で、純米酒のみが前年度並みを確保した。

 令和6FYの主産地別は、▽兵庫県=9万5834㎘、同97・7%、▽京都府=6万3260㎘、同93・9%、▽新潟県=3万916㎘、同96・6%、▽埼玉県=2万2465㎘、同101・4%、▽千葉県=1万3692㎘、同89・9%、▽愛知県=1万230㎘、同94・8%。主産地別では埼玉県のみが前年度を上回り、国税局管内別ではすべて前年度を下回った。

 

 また、令和7年3月の単式蒸留焼酎の課税移出数量は2万8569㎘、前年比95・0%。令和6FYは33万7425㎘、前年度比97・7%となった。

 令和6FYの原料別課税移出数量は、▽さつまいも=14万5844㎘、同97・6%、▽米=2万8343㎘、同95・1%、▽麦=14万7316㎘、同98・7%、▽そば=5158㎘、同89・4・・・


4月のビール類市場 駆け込み需要反動で36%減

 2025年4月のビール類市場は、前年同月比36%の大幅減となった。4月からの値上げを前に予想を上回る駆け込み需要が発生した3月の反動によるもので、それらを加味した3~4月のビール類販売数量は2%減、ビールカテゴリーは1%のプラスとなった。

 4月は飲食店向けの瓶や樽が27%減だったのに対し家庭用の缶製品は38%減だった。

 アサヒビールの4月のビール類販売金額は前年同月比67%。3~4月の合計では同100%を確保、1月からの累計では99%。

 

 「スーパードライ」(「ドライクリスタル」を含む)は4月の販売数量が同58%。容器別の前年同月比は樽68%、瓶64%、缶は51%。累計では同98%の微減。

 

 4月15日に発売した、7年ぶりのスタンダードビールの新ブランド「ザ・ビタリスト」は5月上旬時点で80万箱を突破し、年間販売目標200万箱の4割を超えた。

 

 「スタイルフリー」の4月販売数量は同53%、1月からの累計では98%。4月の「クリアアサヒ」は同49%、1月からの累計では96%。「RTD」の販売金額は価格改定前の駆け込み需要と、昨年4月に全国発売した「GINON」の反動により同86%。アルコールテイスト飲料(微アルコールを含む)の販売金額は、駆け込み需要と昨年4月に発売した「アサヒゼロ」の反動により同83%。

 

 ビール類以外の4月販売金額の前年同月比は洋酒120%、ワイン57%、焼酎86%。

 

 キリンビールの4月のビール類販売金額は前年同月比69%。「一番搾り」ブランド計は同102%で前年を上回ったが「一番搾り」単体は同68%、「晴れ風」31%、「淡麗グリーンラベル」52%、「本麒麟」同44%、「氷結」ブランド計同76%。

 

 同社が4月15日に発売した「キリン一番搾り ホワイトビ・・・


サントリー 「天然水の森」活動の知見を活用 「水」サステナビリティ実現をサポートする新会社を設立

 サントリーホールディングスは、広く社会全体の「水」のサステナビリティを実現することを目指し、水に関する科学的知見の提供を通じて用水確保をサポートする新会社「Water Scape㈱」を設立(2025年1月)、4月から事業を開始した。

 

 サントリーグループでは、サントリーグローバルイノベーションセンター㈱水科学研究所で、水を育む森の涵養研究をはじめ、科学的なアプローチに立った水の研究を国内外で広めてきた。その研究内容は、「サントリー 天然水の森」活動の地下水涵養量の推計や、世界各地の希少性を反映した水利用の影響評価指標の開発などに活用されている。

 

 Water Scape㈱は、昨今、国内外でさまざまな水課題が顕在化している状況を受け、水科学研究所の研究を通じて得られた技術や知見を、自社だけでなく水資源確保・管理などに悩む多くの人々に広く役立て事業化することを目的に、サントリーグループの社内ベンチャー制度「FRONTIER DOJO(フロンティア道場)」から生まれた会社。同社では水文学((すいもんがく)雨・雪・氷や、地表水・地下水、水質や水資源など、広く自然界の水循環について研究する学問)を基盤とした科学的なデータやエビデンスをもとに地下水を可視化して、持続可能な用水確保に向けた取り組みをサポートしていく。

 

 具体的には、企業などの事業者に対し、地下水量の診断やモニタリング、持続可能な用水確保のための投資計画も含めたアクションプラン策定(支援)などのサービスを提供する。まずは地下水利用に課題を持つ企業などを対象にサービスを開始・・・


ヒガシマル醬油 粉末商品26品目など7月1日から価格改定実施

 ヒガシマル醤油㈱は、令和7年7月1日(火)納入分から粉末商品(26アイテム)・液体商品(1アイテム)の価格改定および入数変更(希望小売価格9~28%・価格引き上げ)を行う。

 

 原材料価格や工場経費、人件費等の上昇が続く中、安全・安心な原料の確保、生産の効率化と最大限の合理化を継続してきたが、コスト上昇分を企業努力だけでは吸収困難となっているため。

 

 主な対象商品は、「うどんスープ」8袋が190円から218円に、「同」6袋が140円から168円に、「ちょっとどんぶり うすくち・こいくち」4袋が175円から200円に、「めんスープ4倍濃縮」400㎖は360円から433円に値上・・・


万博来場者120人を対象に 「近畿のお酒飲み比べ」体験 大阪国税局が関西産酒類をPR

 大阪国税局では5月1日、管内2府4県の酒造組合と連携、関西万博のORA外食パビリオンで関西産酒類をPRするイベント「近畿のお酒~飲み比べ体験~」を開催した。

 

 近畿2府4県の日本酒、ワイン、クラフトビール、梅酒の飲み比べ体験や、それぞれのお酒に関する解説などを通じてその魅力を感じてもらおうと言うもので、12時30分からの「滋賀の酒」を皮切りに約30分ずつ、大阪国税局鑑定官室・武宮重人主任鑑定官が、「日本酒を楽しもう!」として、ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」、「お酒の地理的表示(GI)」の意味などについて説明。原料処理に始まる日本酒の製造工程の酒母や酵母の働き、上槽・貯蔵・瓶詰め、特定名称酒の表示やそ・・・


世界初の大型水素焙煎 コーヒーの量産がスタート UCC上島珈琲富士工場で

UCC上島珈琲は、カーボンニュートラルなコーヒー製造を目指して開発していた大型水素焙煎機「Hydro Master(ハイドロマスター)」で、4月から水素焙煎コーヒーの量産を世界で初めて開始、4月23日から業務用・家庭用製品全7品を順次発売している。

 

 コーヒーの焙煎プロセスの熱源には、一般的に天然ガス等の化石燃料が使用されているが、UCCは燃焼時にCO2を排出しない水素を熱源とする焙煎機および水素バーナーの開発・実装に取組んできた。

 

 これは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業。

 構想から数えて約4年の歳月を経て、大型水素焙煎機「ハイドロマスター」(富士工場)での水素焙煎コーヒーの量産を開始。4月23日から業務用と家庭用のレギュラーコーヒー豆製品、ワンドリップコーヒー製品、ドリップポッド専用カプセル、飲料製品全7品を、UCC公式オンラインストアを中心に発売を開始。UCCカフェメルカード、カフェ・・・


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醸界通信2025年4月16日第2625号(TOPICS)


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3月のビール類販売数量 値上げ前の駆け込みで36%増

 ビール4社3月のビール類販売数量は4月からの価格改定を前にした駆け込み需要で36%の大幅増となった。業務用の瓶・樽は25%、家庭用缶商品も39%、それぞれ前年同月を大きく上回った。カテゴリー別でもビール32%、発泡酒35%、RTD44%と前年を大きく上回った。

 

 アサヒビールは3月のビール類販売金額が前年比137%、1月からの累計でも同113%。3月の「スーパードライ」計(「ドライクリスタル」を含む)の販売数量は同142%、累計でも116%。容器別の前年対比は樽128%、瓶128%、缶153%。値上げ前のまとめ買いに対応した「景品付きおトクカートン」の展開も寄与した。3月の「スタイルフリー」は同142%、「クリアアサヒ」は同134%。RTDの3月の売上金額は同191%。「GINON」の好調に加え、3月11日から首都圏、関信越、東海、北陸、近畿エリアで発売した「未来のレモンサワー」も寄与した。アルコールテイスト飲料(微アルコールを含む)の売上金額は同153%。「ドライゼロ」の販売数量は同150%。

 

 キリンビールは3月のビール類販売金額が前年比130%の大幅増で、累計でも110%の2ケタ増。「一番搾り」ブランド計は販売数量が同140%、累計でも同113%。「一番搾り」は3月148%、累計119%。3月・・・


サントリー自販機キャッシュレスサービス 「ジハンピ」を全国展開年内15万台の導入を目指す

サントリービバレッジソリューション㈱は、自販機事業でのキャッシュレス化に向けて、2025年3月から、独自開発した自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」対応自販機の全国展開を開始した。

 同サービスは2024年12月から北海道エリアで先行展開し、利用者や設置先から好評を得ており、同社では「ジハンピ」によるキャッシュレス化の推進を自販機事業の柱と位置づけ、25年中に15万台の導入を目指す。

 

 「ジハンピ」はアプリを起動して、ピッとタッチするだけで商品が買える自販機のキャッシュレスアプリ。①商品を選択して「ジハンピ」アプリを起動して、自販機にスマホを〝ピッ!〟とタッチするだけ。②名前、年齢、メールアドレスなどの情報登録は不要で、SMS認証、支払い方法連携だけで、最短60秒で購入できる。また、支払い方法を連携すると、毎回の支払い方法の選択も不要になる。③PayPayやクレジットカードをはじめ13種類のマネーをジハンピアプリに連携できるので、いつも使っているマネーで支払いできる。また、楽天ポイントなど5種類のポイントも連携でき、余っているポイントを使って飲み物を購入したり、ポイントを貯めたりすることができる。

 

 現在の国内の飲料自販機のキャッシュレス対応比率は、約4割と推定され、キャッシュレスが普及しているコンビニなどと比較しても大きく遅れており、同社の調査では「財布を持ち歩いていなかった」「小銭を増やしたくない」などの理由から、自販機のキャッシュレス決済が使えずに飲料の購入を諦めた経験のある人が約3割あり、自販機のキャッシュレス・・・


宝HDが持続的成長目指し SBIグループの投資事業中核的企業に出資参加

宝ホールディングス㈱は、3月28日の取締役会で、SBIホールディングス㈱(東京・北尾吉孝社長)の連結子会社で、ベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を行うSBIインベストメント㈱(同・同)が運営するベンチャーファンド「SBI Venture Fund2023 投資事業有限責任組合」(ファンド総額1000億円)への出資(10億円)を決定した。

 

 今回の出資により、長期的な視点での新たな事業シーズや既存事業に新たな価値を創出する情報を獲得し、同社グループの持続的な成長促進を図る。2024年10月には、新規事業を社員参加型で開発するプログラム「starTreasure(スタートレジャー)」を導入し、新規事業創出に向けた取り組みを開始しており、これらによって新たなソリューションの・・・


「クラフトボス」新シリーズ “世界のTEA”4品を発表

 サントリー食品インターナショナルは、「クラフトボス」の新シリーズ、「クラフトボス 世界のTEA」4品(600㎖)を発売する。「クラフトボス フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」(税別希望小売価格180円)「同 ティーレモネード with クールライム」(同)を3月18日に発売し、「同 ブルー セイロンティー無糖」(同170円)、「同 贅沢ミルクティー」(同185円)を4月15日に発売した。

 「クラフトボス」は、すっきりとした味わいとスタイリッシュなボトルデザインで、世代・職種を超えた幅広いお客様に愛飲されている。発売以降、抽出方法やブレンド技術を駆使した繊細な味作りなど、モノ作りにこだわった新たな嗜好飲料を提案し続け、コーヒーに留まらず紅茶や抹茶ラテなど、働き方の多様化や嗜好の変化を捉えた提案を行い、市場を牽引してきた。

 

 今回の「クラフトボス 世界のTEA」シリーズは、様々な国や地域のティー文化に着想を得た、自由な発想のアレンジティー。

 

 ▽「クラフトボス フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」=ブレンド素材にスリランカ産ディンブラ茶葉、ケニア産ケニア茶葉、中国・武夷山市産烏龍茶、桃果汁、白桃ピューレエキス、マンゴー果汁、りんご果汁を使用。暑い台湾のドリンクスタンドで親しまれているフルーツティーをヒントに、ピーチ&マンゴーの濃厚な味わいに、華・・・


サントリーなど5社が協働 「水のサステナビリティ」で連携

 MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス㈱(取締役社長 グループCEO 舩曳真一郎氏)、栗田工業㈱(代表取締役社長 江尻裕彦氏)、サントリーホールディングス㈱(代表取締役社長 鳥井信宏氏)、日本コカ・コーラ㈱(代表取締役社長 ムラット・オズゲル氏)、八千代エンジニヤリング㈱(代表取締役社長執行役員 高橋 努氏)の5社は、Alliance for Water Stewardship(AWS)と協働し、3月5日から、ワーキンググループとして「ジャパン・ウォータースチュワードシップ(以下、JWS)」を始動した。

 

 昨今、日本では、水インフラの老朽化による災害や水道料金の高騰、担い手不足による水源涵養林の荒廃など様々な水課題が顕在化している。また農作物の輸入でも世界各地で頻発している干ばつや豪雨が農作物の収量に影響を与え、原材料価格高騰の一因となっている。こうした課題に取り組むため、企業が連携して水問題に取り組むことがますます重要になっており、JWSの始動は日本における水資源保全の取り組みをグローバル水準に押し上げる重要な一歩となる。

 

 JWSでは、スコットランドにあるAWS本部と連携、日本国内に拠点を置く企業に対して「流域での責任ある水資源管理」を促進するとともに、企業が業界を越えて協働して流域の水資源保全に取り組む環境を整備し、国内外の流域で顕在化する水リスク対応への影響力を高めていく。具体的には、研修等の日本語プログラム提供、企業間のネットワーキング、流域やサプライチェーンにおける協働活動、行政機関との連携等を推進していく。AWSでは2025年から、日本をウ・・・


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醸界通信2025年3月19日第2623号(TOPICS)


国税庁令和5年度清酒製造状況調査 清酒製造場数は前年度比24場 特定名称酒の製造場数は減少傾向

 国税庁は、清酒の製造免許を有する酒類製造者を対象に、令和5酒造年度分(令和5年7月1日~令和6年6月30日)「清酒の製造状況について」のレポートを公表した。

 

 清酒を製造した場数は近年、減少傾向にあるが、一方で製造場数のうち、特定名称以外の清酒(以下、「一般酒」)を製造した場数は令和3酒造年度から増加している。

 清酒全体の製造数量および製造数量全体に占める特定名称酒の割合(構成比)は近年、横ばいで推移している。

 

 原料米については、平均精米歩合は近年減少傾向にある。

 

 同調査は、個々の清酒製造業者の清酒製造状況を分析し、各国税局鑑定官室の諸施策に活用することにより清酒の品質の確保に資するとともに、日本国内における清酒の製造および製造に関連する事項の実態を把握した上で、国税庁の行う各種の施策を通じて、清酒製造業の発達改善に資することを目的としている。

 

 今回の調査では、調査対象場数(蔵置場を含む)1718場のうち回答場数は1534場(回答率89.3%)で、令和4酒造・・・


サントリーHD24年12月期 売上利益・営業利益が過去最高に 飲料・食品売上収益が6.9%増

 サントリーホールディングス㈱は2月14日、決算説明会を開催、新浪剛史社長は冒頭、4月13日に開幕を迎える大阪・関西万博について、「サントリーグループは創業の地である大阪を盛り上げたいという思い、そして「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマへの共感から、最上位のスポンサーであるプラチナパートナーとして参画する。世界の分断が進む今、万博という融和や調和の場を日本から発信できることにも大きな意義を感じており、国内はもちろん、世界中から多くの方に訪れていただきたいと考えている」と語った。

 

 2024年の業績について同社長は「世界的なコスト高やインフレが継続する中、各国で景気が停滞し、多くのエリア・事業で市況や競争環境が悪化する厳しい1年となったが、サントリーグループはグローバルな食品酒類総合企業としての強みを発揮し、通期の経営成績は売上収益・営業利益ともに過去最高を達成した」と説明。

 

 2024年12月期の売上収益は酒税込み・・・


ビール製造のボイラ用燃料の一部水素由来転換へ実証事業 キリンなど6社が千歳工場で

 キリンビール㈱、三菱商事㈱、三菱商事クリーンエナジー㈱が出資・運営する、MCKBエネルギーサービス㈱(以下、MCKB)、高砂熱学工業㈱、三浦工業㈱は、キリンビール北海道千歳工場で使用する蒸気ボイラ用燃料の一部を化石燃料由来からグリーン水素由来に転換し、ビール製造工程にグリーン水素由来蒸気を活用する実証事業(以下、同実証)を、2026年6月から開始する予定。

 

 ビール製造では、麦汁煮沸などの加温工程で大量の蒸気を使用する。同実証では、蒸気を製造するボイラ用燃料の一部を都市ガスからグリーン水素に切り替える。これにより、年間で最大約23%の熱需要を水素に代替し、年間約464トンのGHG排出量を削減できる見込み。

 

 三菱商事は、水素供給に関する商務面および事業組成の取りまとめを、高砂熱学工業は水素製造装置の納品・設置、太陽光発電・水素供給設備の設計・施工、竣工後の水素設備保守業務等を、合同会社MTグリーンエネルギー(三菱商事と高砂熱学の出資による合同会社)は、水素製造設備を運転・維持管理し、水素の製造・供給を、MCKBは三浦工業製の水素燃料ボイラを活用した水素由来蒸気・・・


ジン市場の創造・拡大へ大阪工場に55億円を投資 サントリーが「ジン」戦略説明会

 サントリー㈱は2月18日、「サントリージン」戦略説明会を開催、執行役員・スピリッツ本部長の塚原大輔氏は、ジン市場はここ10年で大きく成長し2兆円規模となったグローバル市場、ここ5年で大きく成長した国内市場を背景に「2025年の販売計画を『ROKU〈六〉』ブランド計4万ケース(8.4L換算)、前年比143%、『翠』ブランド計117万8000ケース、同123%とし、2030年の国内市場を450億円と推計、サントリーはその8割、345億円を目指す」と語った。

 

 同本部長は「サントリーは1936年の『ヘルメスドライジン』の発売以来、日本におけるジンカテゴリーの価値創造に取り組んできた。『ジン』は自然素材の酒、自由で感性の酒、すっきり清々しい味わい・香り、で人を引き付け、最近では若年層ほど飲用率が高まっており、サントリーではものづくりの原点に立ち返り『ROKU〈六〉』『翠(SUI)』のマーケティングを強化、サントリージンの重要な生産拠点の大阪工場では生産能力増強と『美味品質』向上に向けて55億円の設備投資を実施、新たに『サントリー大・・・


清酒の一部商品を値上げ 福徳長酒類が6月2日出荷分から

 オエノングループの福徳長酒類㈱は、清酒の一部商品の販売価格を2025年6月2日出荷分から値上げする。

 同社では2022年10月以降、清酒の価格改定を実施しているが、昨今の原料米価格の急激な高騰のほか、エネルギー価格、容器包装品の資材価格、物流費などあらゆるコストの上昇が今後も継続するものと見られ、同社では固定費をはじめとした経費削減などの企業努力を重ねてきたが、それだけではコスト上昇を吸収するのは困難となったため。

 

 対象商品は、清酒「すーっと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒」など2アイテム、「同 純米酒」など3アイテム。参考小売価格は8.8~13.4%程度の値上げとなる。

 

 オエノングループの合同酒精は2月25日から、香り薫る、まろやかブレンドウイスキー「香薫」シリーズに「香薫ハイボール」500㎖サイズを、スペイン産ワイン「ルアナ オーガニック」2品を発売した。

 ▽「香薫ハイボール」(7% 税別参考小売価格218円)=は、飲み飽きせず食事に合わせやすい味わいと、樽由・・・


サントリーHDなど6組織産学金協働で水循環保全イベント 「熊本ウォーターポジティブアクション」

 公立大学法人 熊本県立大学、国立大学法人 熊本大学と、㈱肥後銀行、サントリーホールディングス㈱、㈱日本政策投資銀行、MS&ADインシュアランスグループ ホールディングス㈱の6組織は、産学金協働の「熊本ウォーターポジティブ・アクション」を始動する。

 

 同アクションは、地下水保全に取り組んできた実績に基づき、6組織が協働で、金融的手法を活用して、熊本地域での「グリーンインフラ」(自然環境が持つ多様な機能で自然災害や地球温暖化等の社会課題を解決し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める考え方や取り組み)導入による水循環保全のメカニズムを推進するもの。6組織だけでなく、多くの主体が参加できる仕組みを構築する。この取り組みを通じて健全な水循環を維持し、豊かな市民生活と地域経済を支える「水の国くまもと」のさらなる発展をめざす。

 

 水と緑に恵まれた豊かな熊本地域では、これまで市民・行政・企業の協力による、地下水の保全と活用に関する取り組みが長らく続けられてきた。同取り組みは世界的にも評価されており、2013年には国連「生命の水」(水管理部門)最優秀賞を受賞している。

 

 一方、近年では大規模な都市開発や工場進出に伴う田畑等の土地改変による地下水涵養量の減少や水災リスクの高まりなどが懸念されており、水循環の保全(ウォーターポジティブ)とそれを支える自然環境・・・


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